2012/11/24

米市農園、和棉組:体験レポート


米市農園、和棉組の活動について、和棉から、棉くり、弓打ち、糸車で糸を紡ぐところまで、実際の作業を見学・体験させてもらった。 使うのはもちろん和棉。お試し用に、白棉と茶棉を見せてもらう。 米市農園さんで育てている和棉は三河棉。茶棉は作家さんから分けてもらった分だそうだ。


1、棉くり



ローラーのあいだに棉を通して、種と繊維に分離する。 この作業をしてくれるのが棉くり機だ。 棉を少しずつわけて、ハンドルを回しながら、グリグリとローラーの間に挟んでいく。 入れすぎると詰まるので、適度な量を。 詰まったらハンドルを逆回転して押し出しつつ、どんどん分けていく。


2、弓打ち



棉くり機の間を通って潰れた棉の繊維を再びふっくらさせる作業。 弓の弦をはじいて棉に当てると、ばちんとはじけて、棉の繊維がふっくらする。 棉の毛の潰れたところを狙うように、弓の弦をはじいていく。 何回かやっていると、弦のまわりにぐるりと棉が巻きつくことがあるので、 そうなったら強くはじいて棉を落とす。 潰れた棉がなくなるまで、この作業の繰り返し。 地道な根気のいる仕事。



ふくらんだ棉は、つぶさないよう四角に広げ、竹の棒でくるくると巻き取って棒状にまとめる。 これを使って糸車で紡ぎの作業に入る。










3、糸車



糸車は、①繊維を伸ばす、②撚りをかける、③巻き取る、この三工程の繰り返し。 糸車と並行に座り、右手でハンドルを回し、左手に棉を持つ。 体の正面にピンと出た錘が糸車の命である。 それほど弱いものではないが、曲げると作業が出来なくなるので、注意が必要。 右手でハンドルを回しながら、つむの先から棉の繊維を伸ばすように左手を引く。 ハンドルは手前へ手前へ、一定のスピードで回し、糸の太さは左手を引くスピードで調整する。 早く引けば糸が細く、遅く引けば糸が太くなる。 左手は、左の腰骨の位置を目指して引いてきて、腰骨まで到着したら、繊維の先を指でつまんで、右手のハンドルを2~3周まわす。 そうすると伸ばした繊維に撚りがかかって糸が出来る。 糸の太さにむらがなく、均一に出来たらパーフェクト。 出来た糸を巻き取るために、今度は右手を軽く逆に回して、糸の先をつむからはずす。 再び右手を順回転して、くるくると糸をまきとる。 このあいだ、糸が動かないように、繊維の先はつまんだまま。 糸が巻き取れたら、錘の先に糸をかけて、ふたたび繊維を引き出す。 あとはこの工程のくり返し。







見た目は簡単なように見えるが、実際に自分が体験をしてみると難しい。 棉の繊維がうまくのびず、だまになったり、細くなったり、途中で切れてしまったり。 丈夫な糸を紡ぐには、太い細いよりも、糸の太さが均一であることが大切なのだそうだ。 職人はものすごい速さで紡いでいくが、素人には糸にするだけで大変だ。

体験に参加すると、紡いだ糸でドリームキャッチャーを作らせてもらえる。 小さな輪に、くるくると糸を巻くだけなのだが、その間に何度も糸がブチブチと・・・。




◎棉の畑



休耕地から開かれ、耕して植えられた棉の畑。 耕している以外は、自然農的な栽培。肥料をあげていないので生長は小さめ。 大体の収穫は終わり、最後の収穫といったところ。 かわいらしい棉の実がところどころに弾けていた。日の暮れかけた棉畑で、本日の和棉体験はこれにて終了。







【インフォメーション】

米市農園(代表:高橋洋平)



〒649-6443 和歌山県紀の川市北中216
TEL&FAX:0736-77-3716
mail:y.t*komeichi.net(*を@に代えて送信下さい)
HP:http://komeichi.net/