2012/11/03

「自分でつくる発電ワークショップ」


「藤野電力」さんのワークショップを見学して来ました。
藤野電力さんは、神奈川県藤野町、神奈川でも群馬との県境にある町からはじまった活動です。藤野町は、シュタイナー学校もあるので、ご存知の方も多いかもしれません。「自分たちの電力は自分たちで作ろう」と、太陽光発電のノウハウを学び、友達から友達へと教えていく活動が、現在につながったそうです。小型のソーラーパネルを使った太陽光発電システムを制作するワークショップを見学させてもらいました。








今回のワークショップは、藤野電力さんのミニソーラーパネルキットを使って、発電システムを作ります。 システムの各パーツは、ホームセンターや自動車用品店で市販されているものです。 ですので、仕組みが分かればこのキットを応用して、自分でシステムを設計することも出来ます。

今回作るソーラー発電の仕組みはシンプルです。 ソーラーパネルで発電をして、発電した電気を蓄電池にためる。そのときに、電流が逆流したり過充電しないように、間にチャージコントローラーを入れる。蓄電池にためた電気を取り出すために、シガーソケット(直流電流の取出口)とインバーター(交流電流の取出口)を取りつければ完成です。




キットの内容
1、ソーラーパネル
2、鉛蓄電池
3、チャージコントローラー
4、シガーソケット
5、インバーター
6、電装圧着工具
7、ドライバー
8、ケーブル
9、各種端子・絶縁体(写真外)

ソーラーパネル、チャージコントローラー、鉛蓄電池、シガーソケット、インバーターの 各パーツをケーブルでつないでいきます。 電装圧着工具を使ってケーブルの被膜を剝いては各端子をコツコツ取り付けます。 作業はそれほど複雑ではありませんが、被膜の剝き方、端子の付け方ひとつにしても、 細かいノウハウを教えてもらえるのはワークショップならではです。

手順書を見ながら機器のチェック

圧着工具で被膜を剝く

端子を圧着

端子がついた

端子がついたので機器にとりつけ

機器が点灯。接続に成功しました


10時からはじめて1時すぎまで、制作時間は3時間ほど。 実際に電気がともるとなかなか感動です。

電気がついた!

ソーラーパネルの発電量は50W。一日太陽の光に当てると、だいたい3~4倍量が発電できて、 だいたい150W~200Wほど発電できるそうです。 消費量にもよりますが、パソコンだと6~8時間、テレビだと2時間ほど。 非常時であれば、明かりを取って、情報を得るために最低限必要なツール、パソコンや携帯を充電することが出来ます。 だいたい一般家庭に取り付ける太陽光パネルとしては、3kW~4kW(=3,000W~4,000W)が一般に勧められる量で、 10kW(=1,000W)ほどが発電出来るそうです。つまり、いまの我々の快適な生活を維持するためには、10kWの電力量が必要です。 それに比べると今回のキットで発電できるのはおよそ100分の1。 しかし、我々がこの快適な生活を維持できるだけの電力を今後も使い続けていくと、近い将来支障が生じて来るらしい というのが、震災以降の一連の出来事で、これまで以上に明らかになって来た事でした。 そう考えると、考え方としては2つあって、使う電力の量を減らすか、使う機器の性能を上げるか、という事になります。 いま私たちが家庭で使う電気は、コンセントをさせば無尽蔵に湧き出てきます。そのとき電気を消費しているという感覚はうすい。 それに比べ、ソーラーパネルで発電した電気は、有限な量のよりリアルなものとして感じられます。 いまの電力体制が上限を決めずにどこまでも使えてしまうのに対して、決まった量から下りて来る分しか使えない(しかも日が出ていないと使えない)。 意識のあり方として、この違いはかなり大きいように感じます。 実際にいまの自分の生活を振り返ってみると、この100分の1の電気でまかなえるか、というと、実現出来ていないのが現実です。 やっぱりいろいろ使い過ぎだな、とか我が身を反省。電気というものをよりリアルに感じられたワークショップ見学でした。


【インフォメーション】

日時:2012年11月25日(日)
   10:00〜14:00
会場:奈良オーガニックマーケット [HP]
   JR奈良駅前広場 9:00〜14:00
講師:藤野電力 [HP]
参加費:42,800円(ミニ太陽光発電システム込)